終活の際に悩みの種になるのが、仏壇選びです。値段も幅広いですし、用意する物も人それぞれ異なります。何が必要なのだろうと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。この記事では仏壇を選ぶ際にどういうことに気を付ければよいのか、どういうものが必要なのかをご紹介していきます。
そもそも「仏壇」とは
仏壇は家の中のお寺とも言われ、中心に祀る「本尊」を仏様として、自分の家でも祈れるように作られたものです。
仏壇には位牌を納めるもの、先祖を祀るものと思われがちですが、あくまでも中心は「本尊」です。
仏壇に位牌を祀るのは「亡くなった人はすべて成仏する、仏様になる」という、仏教共通の教えによるものです。
※浄土真宗においては位牌ではなく「過去帳」、あるいは「過去帳見台」に名を記します。
仏壇の種類
仏壇に多く見られるものとして「塗り仏壇」と「唐木仏壇」があります。
ヒノキやケヤキなどの木材に黒の漆塗りを施し、内部や扉の内側などに金箔をはった仏壇のことを言います。主に浄土真宗で用いられます。
塗り仏壇に比べると歴史は新しく、明治時代に入ってからの仏壇です。木目の味わいを生かすため、黒檀や紫檀といった高級な木材を使用して作られます。
※現代の生活にマッチした新しい仏壇である「家具調仏壇」「インテリア仏壇」といったものもあります。
仏壇の値段
仏壇、仏具にかかる一般的な購入費用は30~60万円とされています。費用のバランスは仏壇7:仏具3と考えると良いでしょう。
☆ご予算の目安☆
30万円の場合・・・仏壇21万円:仏具9万円
基本的に仏壇の価格は「仏壇本体のみ」で表示されており、中に飾る仏具は含まれていません。
仏壇と仏具セットとある場合はなにがセットで入っているのか確認することが大切です。
※宗派によって入れる本尊、脇仏、仏具などが違ってきます。
購入時に知っておきたいこと
仏壇を購入する際は店舗の大きさよりも豊富な知識のある「仏事コーディネーター」がいるお店がおすすめです。仏事コーディネーターは資格が必要な職業であり、その資格のために実務経験と豊富な知識を持っています。
塗り仏壇は漆塗りの回数、金箔の純度や厚み、加工の違いで値段の差が出ます。唐木仏壇は材料の木材、彫刻の精巧さ、同じ木材であっても産地、材質で値段の差が出ます。
これらの仏壇の値段の差についてひとつ、唐木仏壇の作り方を例に説明します。
張り、前練り、二方練り、三方練り、四方練り、総無垢と唐木仏壇の見た目を美しくするための木材の量が上がっていくごとに高級になります。張りから四方練りになるにつれ、表面につける黒檀などの木材が多く、比較的安く済む芯材が少なくなり、総無垢までいくと全てが黒檀などの高級な木材だけになります。
仏壇のルール
購入時期は特に決まりはありません。しかし、一般的には四十九日法要までに購入するのが望ましいとされています。
※お彼岸、お盆、年忌法要と言った時期に合わせて仏壇を購入する人もいるようです。
※購入時期に関する間違った知識※
「亡くなった人もいないのに購入すると購入した家族の誰かが亡くなってしまう」、「閏年に仏壇を買うと悪いことが起こる」などの話には、仏教上の根拠はありません。
ゆえに「来年、2020年は閏年だから購入を控えよう」、「もし家族が来年亡くなってしまったら一般的なタイミングで購入ができない」という心配は必要ありません。
仏壇の安置場所
直射日光や湿気に弱いため、これらを避けられる場所にするのが無難です。位置自体はどこでも構わないのですが、南面北座の考え方が直射日光や湿気を避けやすく、仏壇を保存するのに適しています。
また、安置場所を決める際に重要になるのが仏壇の大きさです。同じ仏壇でも大きさに違いがあり、「重ね型(置き型)」「地袋型」「上置き型」の順で小さくなります。箪笥の上などに置きたい場合は、上置き型を使用すると良いでしょう。
仏壇の修理
古い仏壇の修理をする事を「お洗濯」といい、古い仏壇の処分をすることを「お焚き上げ」といいます。
お洗濯には購入価格の五割以上のお金がかかることもあるので、仏壇店に相談すると良いでしょう。
お焚き上げは仏壇をそのまま捨てることはしません。供養して焼却することで仏壇としての役目を全うさせます。
どちらを行う際にも、「本尊」と「位牌」の取り扱いには注意しましょう。この二つを取り出す際には、本尊や位牌に込められた魂を抜く「遷座法要」を行わなければなりません。仏壇が修理を終えるまで本尊と位牌はお寺に預かってもらうか、自宅で厨子に安置しておきます。仏壇の修理が終われば改めて「開眼法要」を行い、本尊と位牌に魂を入れ、仏壇に安置します。
※浄土真宗では「仏様がご本尊に宿るわけではない」という考え方により、仏壇自体のお洗濯として「入仏慶讃法要」と「建碑慶讃法要」が行われます。
あなたに合わせた仏壇の選び方 まとめ
いかがでしたでしょうか。この記事では仏壇選びのために知っておきたい知識やご予算、ルールについて述べました。
勿論、仏壇選びの際にはご先祖様への感謝の気持ちが大切です。その上で、ご予算やルールについて知って頂き、皆さんに合った仏壇選びの一助となれば幸いです。