【家庭内事故ゼロへ】自宅で長く住み続けるためにできる工夫

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高齢期の住み替えは、欧米では普通のことですが、日本ではまだまだ一般的ではありません。
一軒家でひとり暮らしをしている私も考えなければならない問題なのでしょうが、家族の思い出がたくさん詰まったこの家を出ていくのは嫌だし、子どもたちにとっての実家をなくしたくないとも思うのです。
そこでわたしは、今住んでいる家を老後も安心して暮らせるように、見直してみようと考えました。

実は交通事故よりも多い家庭内事故

平成25年に交通事故で亡くなった方は4373人。それに対し、家庭内事故で亡くなった方は1万4582人です。

えええっ、家庭内事故が交通事故の死者数を上回っているなんて驚きです。
しかも、家庭内事故で亡くなった1万4582人のうち83%65歳以上の方なんです。

怪我の程度も高齢になるほど重症化する傾向があるので、安全に暮らせる住まいづくりはとても大切になってきます。


家庭内での事故箇所をグラフで見てみると、リビングルームでの事故の多さが目立ちますね。

年をとると足腰が弱くなって、何でもないところでつまずいたり、足を滑らせたりするなど、若い頃には考えられなかったようなアクシデントに見舞われることがあります。
わたしも一度転倒した拍子に捻挫をしてしまい、治療に時間をとられてしまったことがありました。運が悪ければ骨折して、しばらく寝床から起き上がれなくなってしまうこともあるかもしれません。

床に物を置かない

実は、怪我の原因の3分の1は転倒や転落によるものです。
ですから安全の基本は、床に物を置かないことです。

それだけのことで、転倒のリスクは大幅に減らせることでしょう。
特に、1日の多くを過ごすリビングルームでは、動線上の障害物を除いて、スムーズに動けるようにしておくことが大切です。

段差

「こんな段差なんか、すぐに避けられるから大丈夫」と思っていてもたった5ミリの段差でも人はつまずくものです。油断は禁物です。

紙類

新聞や雑誌などを踏んづけて足を滑らせるパターンも意外に多ので、これらの紙類は、ラックなどに収納しましょう。
※紙類以外でも収納できるものはなるべく収納するようにした方がいいでしょう。

電気コード

いろんなコードが床を這っていませんか。それらが足に絡まって事故につながることもあります。
「ケーブルカバー」のように、コードをむき出しにしないためのグッズも売っていますし、ラップの芯で似たようなものを自作することもできます。
コードは、床に這わせず、壁沿いに通すと安全と言えるかもしれません。

☆ 注意 ☆

コードを小さくまとめようとクルクル巻いたり、結束バンドで重ねたりするのはいけません。束ねた配線が過熱して発火する危険があるからです。
※消防署や電気メーカーのホームページでの危険防止の注意書きが見られます。

カーペットの上ではスリッパを脱ぐ

「フローリング + スリッパ」、あるいは「カーペット + スリッパ」の組み合わせが最も滑りやすく、転倒事故の大きな原因になっています。
スリッパの先がめくれ上がったカーペットに引っかかって転倒したり、毛足の長い絨毯の上で滑ったり…いろいろなことが考えられますね。

転倒を防ぐには…
  • つま先が引き上げられる構造で、踏ん張りがきく転倒防止スリッパを履く。
  • ゴムやシリコンが付いた転倒防止用の靴下を履く。
  • 遊び毛の出ないカーペットを選ぶ。
  • カーペットの隅を専用のテープで固定する。   etc.
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つまずきやすい場所には目印を

視力が衰えて足元がよく見えなかったりすると、夜間の暗い時間に転倒してしまう可能性が増えます。
特に、アイボリーやベージュなどの淡い色調であったりすると、ちょっとした床の凹凸や壁の出っ張りに気付けないことも多いでしょう。

転倒を防ぐには…
  • 高輝度蓄光テープを利用する。

→ 日中はさほど目立たず、夜に蓄えた光を長く発光し、足元を明るく照らすテープ。

  • センサーライトを置く。

→ 人感センサーや熱センサーなどで、動く物体やその物体の熱量を感知し、電源が自動的に入ります。一定の間、ライトが明るく照らしてくれます。
※一般的には防犯照明器具として知られていますが、室内の照明としても使用できるものもあります。

リフォームを支援する制度

満60歳以上の方が、居住する住宅のバリアフリー工事、または耐震改修工事を施すリフォームを行う場合に利用できる「高齢者向け返済特例制度」という融資制度があるのをご存知ですか?
住宅金融支援機構が、リフォームローン(融資限度額は1000万円)を提供するものです。固定金利で月々の返済は利息のみというお得なローンです。
借入金の元金については、申し込み人が亡くなったときに相続人が一括して支払うか、担保として提供された土地・建物の処分で返済する仕組みとなっています。

☆ 注意 ☆

毎月の支払いは利息だけですが、長生きすると払い続ける利息が大きな金額になる場合もあります。
さらに、担保の土地・建物の処分額よりも残った元金の方が多い場合には、相続人がその分を返済することになります。

  • あらかじめ相続人に相談しておく。
  • 死亡保険金などで支払えるようにしておく。

などの対策をとっておく必要があります。

【家庭内事故ゼロへ】長く住み続けるためにできる工夫 まとめ

長く健康で暮らしたいとは思っていても、わたしたちは日々老いていきます。

いつ家庭内事故を起こしてしまうかわかりません。なるべくそんなことを起こさないためにもできることはきちんとやっておきましょう。意識して気を付けられるところは気を付けることも大切ですね。
安心して長く住み続けられるように、できることから少しずつやっていきましょう。

ABOUTこの記事をかいた人

山本 幸恵

年齢:56歳
夫が他界し、一軒家で一人暮らしをしている。最近は時間を持て余し、以前から興味があった終活を始めることにした。その際に取得した情報を備忘録として記事に残しておいたことが記事作成のきっかけ。