終活を進める中で、生前整理や遺品整理は必要不可欠です。特に故人の思い出の品や大切にしていた物の供養については、遺族として処分すべきかどうかを判断しなければいけません。処分の可否だけではなく、物を供養することは、気持ちの整理にもつながります。
目次
物の供養の歴史
物の供養の歴史は長く、日本では昔から物にはその持ち主の思いが込められているという考え方がされていました。ですから役目を終えたら、供養をしてあげるのです。
供養には悲しいイメージがつきものですが、最近では「気持ちの整理をして前を向くための行為」として捉えている方も多いようです。
「終活」という言葉が一般的なものになってきたこととも繋がっているのかもしれませんね。
供養してもらうための儀式と場所について
供養するために「お焚き上げ※1」が行われます。
※1 お祓いやお経の後に炎で清める儀式のこと。
お焚き上げを行う場所は、大きく「寺社仏閣」と「神社仏閣」の2つに分かれています。
※神社仏閣では、愛用品と遺品全般を受け付けてくれるところと人形など特定の物のみを受け付けている場合があります。
物の分類によってはお焚き上げが行われないこともあります。お焚き上げできないものの例は以下の通りです。
☆ お焚き上げできないもの ☆
- 不燃物(ガラス製品、瀬戸物、金属製品など。※仏壇も不燃物は取り外しておく必要がある)。
- 電化製品。※パソコンやスマホなどは個人情報を削除してくれるところもある。
- お金や有価証券、通帳など。
遺品回収業者は基本的に通年、受け付けを行っていて、お焚き上げをする業者や協会が増えています。お焚き上げする物を郵便物、宅配で送ります。※一部、パソコンや携帯電話などの電子機器を受け付けるところもあるので問い合わせてみてください。
大切な品を処分する前に知っておきたい供養の仕方
人形供養
人形やぬいぐるみは、持っていた人の魂が宿るといわれており、処分をする前に、人形供養される方も多いようです。郵送または持参することで、寺社によって供養が行われます。
針供養
使えなくなった針は、針供養として寺社に納めます。他にも針はいつも固いものを刺していることから、豆腐やこんにゃくなどに針を刺すこともあります。
※針供養は2月8日と12月8日に行われます。
宗教物を正しく供養するには?
お札、お守り
お札やお守りについては、物の供養に限らず、もらった寺社への返納が原則とされています。効力は、1年(長くて3年)で、自分で処分する場合は、白い紙にお札やお守りを入れ、お清めの塩とともに包んでから、焼却またはごみに出しましょう。
数珠
お寺に納めてお焚き上げを行います。白い紙に数珠とお清めの塩を包み、焼却(木製の物に限る)または、ごみに出しましょう。
仏具
仏具に関しては、価値の高い物は、専門家に査定を依頼し、買い取ってもらう方法があります。※事前にお寺での「魂抜き」の供養を行ってください。
【気持ちも整理できる】思い出の供養の仕方 まとめ
いかがでしたでしょうか。使い続けた物には魂が宿ると言われているくらいですから、物の供養はやはり必要だとわたしは考えます。また、お守りや仏具など、捨てると罰が当たりそうなものも供養の仕方を知っていれば安心できます。是非参考にしてみてくださいね。