世界の終活事情

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終活とは「人生の終わりについて考える活動」を略した日本で造られた言葉で、2009年に終活に関する書籍が出版されたことを機に徐々に広がりはじめました。
そもそも死生観は十人十色であり、その人の歴史や背景によって終活事情は様々です。国が違えばさらに事情は変わってきます。となると、「世界ではどんな終活が行われているんだろう」と気になったので調べてみました。

今回は世界の終活事情についてお話ししていきます。

海外の終活の特徴

ここでは、日本と海外の終活の違い及び海外の終活の特徴についてご紹介していきます。

日本

日本では、終活についての様々な商品やサービスが充実しています。
エンディングノートを用意して家族に情報を残しておくということも日本独自の文化と言えるでしょう。
一方、海外では遺言書や生前の契約のみで済ませる場合が多く、遺言書や契約が大きな効力を持ちます。

アメリカ

アメリカでは、遺言書がなかった場合「プロベート」と呼ばれる裁判所による相続手続きが行われます。これが思いのほか負担として大きく、遺産相続できる人が確定するまでに早くても3年はかかってしまうのです。
プライベートに関することも完全にオープンにされてしまうため、「遺言書は絶対に書く」という習慣が根付いているようです。

中国

中国では、昔は「遺言書」自体を不吉として書くこと自体を暗黙の了解としていましたが、現在ではその固定観念が薄れつつあります。
私有財産の権利意識の高まりや、若い世代においては仕事の重圧からか、遠く離れて暮らしている両親にせめて財産だけでも遺してあげたいという考えがあるようです。

スウェーデン式断捨離

終活では「身の回りの整理」が欠かせません。その際に何を残して何を捨てるのか悩んだ末、結局捨てられない! と言う方もおられると思います。実際、私もそういうところがあります。

今回はそういった方に向けて「スウェーデン式断捨離法」をご紹介します。
こちらはスウェーデン人アーティストのマーガレット・マグネソン氏が出版した本に書かれている方法で、以下のことに気を付けて断捨離を行います。

  • 自分が亡くなったときに片づける人が欲しいと思えるものだけを残していく。
  • 自分が亡くなったときに片づける人が見たらショックを受けるものは捨ててしまう。
  • 自分にとっては重要だが、自分が亡くなったときに片づける人には重要ではないものは捨ててしまう。

特に、特定の趣味の持ち主であればコレクションしているものもあるかと思われます。それらは自分にとっては宝物でも、他人にとってはただのゴミと思われる可能性もありますよね。財産として扱われないものであるなら、欲しがっている友人に譲る旨をエンディングノートに遺しておくのがよいでしょう。

世界の埋葬事情

世界中を見てみれば、埋葬の仕方も様々だということがわかります。今回は、ノルウェーとインドと韓国の埋葬について見ていきましょう。

ノルウェー ミンネスルンド

いわゆる共同墓地の一種なのですが、特徴としては「遺族に埋骨した場所を具体的に教えない」というのが大きいでしょう。
これによってどのようなことが起こるのかというと、「お墓に対して遺族に管理費を払い続けてもらわずに済む」、「この世では貧富の差はあったけれどあの世では平等である」と言った意識が生まれるのです。
介護されるときに最も安心を感じる国々である北欧ならではの考え方であると私は思います。

インド ガンジス川に遺灰を流す

ヒンドゥー教の間では、遺灰をガンジス川に流す習慣が残る地域があります。仏教と同じように、亡くなった人は別の生き物として生まれ変わるという「輪廻転生」が信じられているので、遺体や遺骨を保存しておかず、自然に還すという考えで行われています。

韓国 納骨堂の先駆者?

日本でもロッカー型の納骨堂が増えてきましたが、韓国ではドラマの影響などもあり納骨堂の普及率が高いです。

また、最近日本で注目されている樹木葬ですが、韓国では2007年に制度化され既に人気を集めています。納骨堂や自然葬の普及について、韓国は政府が力を入れています。

世界の終活事情 まとめ

いかがでしたでしょうか。日本のように終活についての様々な関連商品やサービスがある国は珍しいようです。また、「終活」という言葉は無くとも亡くなる前の準備はどの国でもしっかり行っています。政府が力を入れて制度化を進めている国も少なくないようです。

ABOUTこの記事をかいた人

村山豊

年齢:57歳
結婚願望はなく独身。葬儀関係の仕事をしている。
最近流行りの終活についての情報を、ブログに載せると好評だったため、継続して記事を書くようになった。今後も自身の経験も踏まえて発信したいと思っている。