「人間五十年、下天の内を比べれば、夢幻の如くなり」
織田信長が好んで舞った際にある文言としてこのようなものがあり、人生とは儚いものというのが昔の感覚のように思えます。
平均的に80年、現在は65歳で定年を迎えて余生を迎えるとなると15年もの余生があります。これは子どもが生まれてから中学校を卒業するまでの年数と同じと考えると長く感じるものではないでしょうか。
老後に対する不安は様々ですが、今回はその内の、「何もせずに生きるだけなのが不安」といったものを解消する話をしていきます。
ポジティブシンキング(積極思考)を身につける
意外に思うかもしれないのですが、人は1日45000回もの後ろ向きな考え方をすると言われています。
マイナス思考は楽しくないですし、エネルギーも奪われていきます。
マイナス思考そのものの癖はすぐには治りません。というのも、「万が一のことがあったら」と思うとマイナス思考のときの考えが当たっている方が、唐突に不幸が襲ってくるよりもダメージが少ない、と考えてしまうからです。
そこでおすすめなのは「でも今からは違う」、「でも気にしない」、「ありがとう」、「ツイてる」といった言葉で思考を上書きする方法です。
自分のことを客観的に見れない、周囲も見えていないとなってしまうと、それはよくないポジティブですが、深呼吸をして失敗を受け止め、「これは自分をよくするチャンスだ、どうすればよくなるか考えよう」という思考に持っていけば、起こっていることが「いいことばかりだ」とポジティブな方向に思考が向いていきます。
笑ってみよう
MRI検査によって、鬱状態にあると言われた人に以下の3つのことを試してもらいました。
- 1日少なくとも20分間、笑うか微笑む。
- 毎日少なくとも20分間運動する。
- 自宅や職場の各部屋にいくつも色付きの点(目印)を貼り、これを目にするたびに肯定的な記憶、出来事、可能性について考える。
以上をやってもらった結果、被験者全員が、やる以前より幸福感を感じるようになり、MRIでのチェックでも全員の左前頭葉の顕著な活性化が見られるという結果が出ました。
これら全部をやり続けるのは辛い、と思う方は多くいらっしゃるでしょう。わたしも実際に1日に20分間笑ってみようと試みましたが、意外と難しいことがわかりました。1日座り仕事をしていると、20分間の運動もなかなか時間が取れず、できないときも多かったです。
ですが、3の習慣は他のものと違って考えるのは一瞬だけで良いので、挑戦しやすいと思います。取り入れるようにすると気持ちが上向きになっていくので、少しずつでもいいので長く続けてみてください。
意志の力を強くする方法
「スタンフォードの自分を変える教室」という本に記されていた実践的な意志力の強化方法の例を5つあげます。
1 衝動が起こったとき、それを感じている自分を1分、体がどう反応しているか観察します。さらに気を紛らわせるなどして10分我慢してみます。ゆったりとした呼吸も我慢の10分の中に取り入れると効果的です。
2 小さくても自制心を要すること(例えば姿勢をよくする、買い物をする際に少しだけ立ち止まって必要なものか考えるなど)を継続的に行うと意志の力が全般的に強くなります。
3 選択をするとき、自分が何をしようとしているかを意識し、実行することが容易いことより困難なことを選択します。
4 自制心を発揮したいと望むなら、失敗したときに自己批判をするのは有害なので、誘惑に屈した自分を許すことが大切です。ここで自己批判をしてしまうと失敗したという気持ちが強く残り、結果「自分は自制のできない人間」と思い込んでしまい、自分を許せたとき以上に自制心を制御できなくなります。
5 5分間でも定期的に瞑想したり呼吸を遅らせたりすることで脳が鍛えられ、意志力が強化されます。
意志力は筋肉と同じで、使わないとダメになります。最初は3と5を少しずつ試しながら、特に4を心がけるといいのではないでしょうか。
4はポジティブシンキングの話にもつながります。できなかった自分に「失敗したことは仕方ない、しかし見つめなおすチャンスが得られたのだ」と考えていくだけでも意思は強くなるはずです。
人生80年、幸せな余生を送るために心の力を鍛える方法 まとめ
今回の話は要するに「気の持ちよう」ではあるのですが、同じ生きるのであれば、自分を責めながら生きるよりも自分を褒めながら生きる方がより生を実感するはずです。
また、何も試みずに生きるよりも何かに挑戦しながら生きる方がエネルギーは高く、より生き生きとした人生を歩めます。
特に終活を考える人は「終わりを良くしたいから終活をしよう」と考えるはずなので、終わりのときに「良かった」と言える心を構築するのも終活に必要なものです。