定年後の時間を誰とどう過ごすかということは重要です。
私の両親の場合、定年してからはペットと過ごす時間が多く、私たちが自立したこともあり四六時中愛犬に愛情を注いでいました。そんな状況が変わったのは、大切に育てていた愛犬が急に天に召された後です。母はとても落ち込んでふさぎ込むことが多くなりました。
人によってはその別れが受け入れられず、様々な体調不良を起こす人がいます。「ペットロス」と言われるその状態は放置しておくと精神疾患などにもつながります。
今回は「ペットロス」の症状と対策について書きつつ、ペットと行う終活の重要性についてお話ししていきます。
ペットロスという症状
導入にて別れを受け入れられず様々な体調不良を起こすことを話しましたが、この状態を「ペットロス」と言います。
ペットロスに特になりやすいと言われるのはペットを子どものようにかわいがっていたシニア夫婦や家族同然に一緒に暮らしていた一人暮らしの人など、ペットとの絆が特に深い人たちです。
また、不慮の事故や突然死でペットを失い、納得いくお別れができなかった人たちも該当するでしょう。
いずれ時間が解決したり、家族や友人に話をしたり、新たなペットを迎えたり、きちんと供養をする事で心が癒え、整理がつくケースが多めです。深刻な症状が現れたり、長期にわたって続いたりする場合は心療内科医やカウンセラーに相談すると良いでしょう。
おもな症状としては以下のようなものがあります。
- よく眠れない。
- 食欲がない。
- 涙が出る。
- 倦怠感がある。
- 下痢や嘔吐をする。
- 孤独感に襲われる。
- 責任や後悔を感じる。
- 集中力がなくなる。
- 何をしていても楽しくない。
- ペットの遺品整理ができない。
ペットロスの克服プロセス
ペットロスの克服には5つのプロセスがあります。
1 拒否
最初に訪れる心理過程は大切なペットの死を現実として受け止められず、否定や拒否をすることです。ショックで放心状態になる場合もあります。
2 怒り
亡くなったという実感が徐々にわき、ペットの死は誰かのせいだと、周囲に怒りを向けるように。※動物病院の獣医や家族、さらには自分など。
3 交渉
獣医や自分をいくらせめてもペットは戻らないことを認識すると、「自分の命を引き換えに、あの子を返してほしい」などの神頼みなどを始めることがあります。これが交渉です。
4 悲しみ・抑うつ
何をしてもペットが戻らないことを突き付けられると、涙が出る、食欲が出ないなどの症状が現れます。ここで、しっかりと悲しんでおくことが重要です。
5 受容・回復
ペットが亡くなった事実を受け入れ、楽しい、美味しいなど本来の日常の感覚が戻ってきます。喪失感より、一緒に過ごした楽しかった思い出も蘇ってきます。
この1~4を行ったり来たりしたり、1から飛んで一気に4に行ったりなどパターンは様々ですが、最終的には5に行きつくようになっています。4の段階で思いっきり泣くなどしてしっかりと悲しむことで、遺してくれた思い出に感謝できるようになるはずです。
ペットと行う終活の重要性
家族同然に思っていたペットがいなくなった際の心の負担はとても大きいものです。「落ち込むな」という方が無理というものです。ここではペットロスの後に長引かせずに立ち直る方法をご紹介します。
POINT1
家族や友人、専門家などに話を聞いてもらいましょう。
最近ではペットロス専門のカウンセラーなどもあります。
ペットロスのお悩み相談なら|ボイスマルシェ
→ 電話でのカウンセリングになります。ペットロス以外の相談にも対応可。※但し女性専用。
POINT2
「動物の寿命は人間よりも短く、いつかは自分が看取る」という認識を持って飼いましょう。
最期をどのように迎えるか、この心構えが重度のペットロスを起こさないために必要です。人の終活と同じくエンディングノートを用意することもアイディアのひとつです。
☆ 注意 ☆
最近ではペットを亡くして落ち込んでいる人を狙い法外な値段でサービスを提供する悪質な業者が登場している悲しい現実があります。
そういったものへの備えとして、ペットが亡くなる前の計画的な準備と、信頼できる人との相談、つまりペットの終活が重要なのです。
ペットロスの症状と対策 ~ペットと行う終活~ まとめ
共に過ごしたペットが亡くなった際に、ペットロスが起きてしまうのは自然なことです。
しかしながら長期的に続くと心身ともに悪影響です。そうならないためにペットの最期とどう向き合うか、ペットと一緒に終活をしていくことが重要となってくるのです。