わたしが「男の料理教室」をすすめる理由

わたしの夫は仕事第一の仕事人間でした。その夫が定年退職したら、日がな一日椅子に座りっぱなしでテレビばかり見るようになってしまいました。
わたしが朝早くからのパートをしているので、朝ご飯だけでも自分で準備できるようになってくれないかしらと考えたのが最初の始まりでした。
わたしが教えてもろくに聞いてもくれないので、何かいい案はないかとインターネットで調べていたら出てきたのが「男の料理教室」でした。

1 料理教室に通う
- 1.1 なぜ「男の」料理教室なのか
2 ４つの変化
3 おすすめ簡単レシピ
4 わたしが「男の料理教室」をすすめる理由　まとめ

料理教室に通う

料理が全く初めてという方でも安心です。なぜなら、包丁の持ち方から教えてくれるからです。

男性は女性より論理的にものを捉え、曖昧な表現を嫌いますよね。例えば「香りが立つまで焼く」と言われてもその香りがわからなかったり、「色よく茹でる」の色にも悩んでしまったり…という傾向があります。
料理教室に通えば、実際の香りや色がわかるので、良い体験・学びになります。

なぜ「男の」料理教室なのか

料理を始めるのに性別は関係ありません。が、「女性ばかりの中では気が引ける」と考える男性は案外多いものです。
夫も最初はそんなことを言って渋っていましたが、わたしが「男だけのクラスもあるんだってよ」と教えてあげるとはじめて興味を持ったようでした。自分と同じ60代が多いというのも通う一因になったと思います。今では年齢の違う友だちもできたみたいで、毎日生き生きとしています。

４つの変化

料理教室に通いだしてから、夫には４つの良い変化が起きました。

家でも料理をしてくれる

料理教室に通う前は、料理なんて一切したことのなかった夫ですが、教室の復習のためとはいえ家で料理を作ってくれるようになるなんて驚きでした。最近では気が向いたときには、昼に帰ってくるわたしのために簡単な昼ご飯を作ってくれるまでになりました。

夫は料理が性に合っていたようで、割と頻繁に作ってくれるようになりましたが、話を聞くとやはり多くの男性は月２～３回程度教室の復習をするときが主で、日常的に料理をする人は稀なようです。でも、「男子厨房に入らず」世代の男性たちが料理をするようになっただけでも大きな変化ですよね。

料理への自信がついた

「料理教室に通って良かったと思うことって何？」という質問を夫にしてみたところ、「いざというときに料理ができるという自信がついた」と答えてくれました。
確かにわたしが病気をしたときや、急な用事で食事を用意できないときなどに以前なら「俺の食事はどうするんだ」などと言っていた夫が今では「食事は任せておけ」と言うのです。自信があるからこその頼もしい発言ですよね。

これは夫以外も多くの方が感じているようです。教室に通う約半数の方がひとりになっても困らないようにという理由で通い始めたのですが、今ではいざとなればできるという自信をつけています。将来に不安を持っていた人たちがそんな自信を得られたのは大きな収穫でしょう。

生活の幅が広がった

夫にとって１番良い変化だと思えるのは、生活の幅が広がったことだと思います。
料理を習ったことで、食分野全般に興味を持つようになり、日がな一日椅子に座ってテレビばかり見ていた夫は散歩がてら食材の買い出しにも行ってくれるようになりました。行く前には冷蔵庫の中身を確認して、値段や産地にもこだわってくれるので大変助かっています。
テレビも料理番組を好んでみることが多くなったようです。この間は、テレビで見たという大失敗料理を食べさせられましたが、久しぶりにふたりで大笑いできたので良い経験でした。

料理以外の家事もしてくれる

料理のために「買い出し」→「料理」→「片付け」とやってくれるようになった夫ですが、ある日それだけやってもわたしが忙しく立ち働いていることに気付いたようです。家事は料理だけではありません。洗濯、掃除までできてやっと一人前です。ただ、わたしは夫が気付いてくれただけですごいと思ってしまいました。仕事人間だった夫が家事に興味を持つなんて驚きです。今では自分の分は洗濯物を畳んでくれますし、掃除も本当に時々ですがやってくれるようになったんです。

料理教室に通った男性は、それをきっかけに生活者として自立の道を着実に歩んでいるのでしょう。素晴らしいことです。