年齢を重ねると、何もないところで転んでしまう…という方もおられるかもしれません。かく言うわたしもそのひとりです。転倒して寝たきりになってしまうと、終活の予定も大きく変更しなければならなくなってしまいます。
今回は年を重ねるごとに転倒しやすくなるというメカニズムや、転倒を予防するためのトレーニング方法についてご紹介していきます。
簡単なトレーニングで大きな効果がありますので是非試してみてくださいね。
目次
理想的な歩行姿勢のポイント
正しい歩き方は、歩行姿勢を意識するだけで改善することができます。意識しておきたい歩き方を3つのポイントに分けて紹介していきます。歩行姿勢の癖に気づいたら、自分に合ったトレーニングを実践しましょう。
ポイント1 踵から地面に着ける
本来の歩き方は、足を前に振り出した遠心力で足先が上がるメカニズムになっています。足先を上げて、踵から接地するように意識しましょう。
ポイント2 地面を後ろに蹴って進む
地面を後ろに蹴って歩くと、股関節が伸びた状態になります。歩幅が広くなり、骨盤を前方へ運ぶことができるため、意識するだけで、自然な歩き方ができるようになります。
ポイント3 歩行中の視線は2~3m先
視線は2~3m先を見ながら歩くだけで、自然と背筋がよくなって、足が上がりやすくなります。視線を下向きにすると、上半身が前傾し、歩くときに足が上がりにくくなるので、注意しましょう。
トレーニングを行う前に
安全に実践するためにも、注意点を確認しておくとよいでしょう。
- 動きやすい服装で、足が滑らないシューズや靴下を履く。
- 不安な場合は、介助者をつけて行う。
- 安定感のある椅子や踏み台を利用する。体を支えるときは、壁、手すり、ドアの枠など動かないものを利用。
- 体調の負担、筋肉や関節に痛みが出たら、医師や理学療法士に相談する。
正しい歩き方で健康に! ポイント別の簡単トレーニング
手軽に実践できるトレーニングを習慣づけ、転倒リスクを軽減しましょう。
トレーニング1 踵から地面に着地するための簡単トレーニング
前脛の筋肉が衰えてくると、歩く際にすり足になります。
すり足は、足を地面に擦って歩くので、踵からの接地ができていない状態です。このような状態は転びやすい歩き方の原因になります。前脛の筋肉(前脛骨筋)は、足先を上げる働きをするため、踵から接地できていない歩行が気になる方は前脛骨筋を鍛えておきましょう。
- 直立した姿勢で、転倒しないように、手すりやドアのふちなどを掴みます。
- 左右の踵は地面につけたまま、つま先を同時に上げます。お尻を後ろに突き出し、足先を見ながら、20回×2セット行いましょう。
トレーニング2 地面を後ろに蹴って進むための簡単トレーニング
股関節をしっかり伸ばし、後ろに伸びた足で地面を蹴ることで転びにくくなります。歩行の際、足先を上げるには、股関節の筋肉(腸腰筋)を鍛えることが重要です。
- 上半身は背筋を真っ直ぐに伸ばした状態で椅子に座り、手で座面を掴んで体を安定させます。
- 片足ずつ、真上にあげるイメージで交互に太ももを上げる動作をします。両足で20回×3セット行いましょう。
トレーニング3 背筋を伸ばして歩くための簡単トレーニング
上体が前傾してお尻を突き出すような姿勢は、結果としてすり足歩きになりかねません。お尻の筋肉である大殿筋を鍛えることで、体が曲がりにくくなり視線が保たれ、足も上がりやすくなります。
- 仰向けになり、足を肩幅くらいに開きます。
- 膝を立てます。このとき、足の裏は床にしっかり付けましょう。
- ゆっくりお尻を床から浮かせて、肩から膝まで真っ直ぐになった状態で5秒間キープ。
- ゆっくりとお尻を下ろす。1から4の繰り返しを20回×2セット行いましょう。
【終活時の健康維持】転倒を防ぐための簡単トレーニング まとめ
間違った歩行動作は、転倒やつまずきやすくなる原因になりかねません。歩き方の改善と、無理なくできるトレーニングを実践すると、転倒リスクの軽減につながります。ずっと元気でいるために、歩くことを楽しみましょう!