葬儀の際に最も目の引く場所に飾られる遺影。亡くなってから慌てて用意した経験がある方は多いかもしれませんが、最近では終活として、生前に自分で遺影を用意しておく人が増えています。遺族が用意するものという考えはもう古いようです。
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生前に遺影を準備しておかなかったら・・・
急遽写真を探すことになった場合、集合写真の中の他の人と並んで小さく写っている写真しかなかったり、亡くなった年齢とかけ離れた時期の写真を使うしかなかったりしてしまう場合もあるでしょう。
2000年代に入る前までは、日常の中で死を語り、その準備をすることは不吉なこととされていました。具体的に死期を予想した行為というものは、情的にも倫理的にも忌むべきものとして避けられてきました。
終活が注目されるようになってからは、人生の締めくくりである葬儀を自分らしく執り行ってもらいたいと考える人が増えてきたのです。
生前に遺影を用意しておくことにはメリットもあります。
- 家族に自分のことを偲ぶ時間の余裕を持ってもらうことができる。
→ 写真を探したりする時間が短縮され、他の準備に充てられるのでゆとりができるのです。
- 自分で、自分が残したい姿を選べる。
→ 生前に残しておくことで、自分も家族も納得する写真を残すことができます。
遺影を準備するときのポイント
実際に遺影を準備するときに気を付けておきたいポイントをいくつかご紹介します。
いつ撮った写真がいい?
基本的には、自分が気に入った写真を選んで大丈夫です。ただし、あまりに若い頃の写真で本人だとわからないものは避けた方がいいでしょう。
写真館、葬儀屋、自分で撮るなど選択肢は様々です。元気なうちに、自分の納得のいく遺影を撮影しておきましょう。
遺影と撮るときの服装は?
遺影というと喪服を着ているようなイメージがあるかと思います。昔は喪服の写真が一般的で、遺族の選んだ写真が喪服でない場合は加工して喪服に変えていたのです。
ですが、最近では「自分らしい服装」で遺影を撮る人が増えてきています。特に制限もありませんので、好きな服装で大丈夫なようです。どうしても迷った場合は比較的地味な色のスーツなどが無難でしょう。
※帽子や眼鏡などの装飾品は顔立ちがはっきりしない、影ができるなどの理由からNGの場合が多いです。
額縁は選べる?
黒縁でなければならないという決まりはありません。シンプルな木枠や銀縁、花で飾られた華やかな額縁でもOKです。遺影の雰囲気に合った額縁が良いですね。
誕生日に遺影を更新
実は、遺影は一度撮ったら終わりではありません。いつでも取り直しOKなので、一生に一度の機会と肩肘張らずにリラックスした気持ちで臨めます。
誕生日ごとに写真を撮影して遺影用の写真としてためていたり、10年ごとに写真を撮影し続けていたりする人たちが実際にいるようです。
最近は加工の技術も優れているので、何かの記念に撮った家族写真から遺影を作れたりもしますね。遺影を撮りたがらない人がいる場合はこういう方法もいいかもしれませんね。
【生前遺影】あなたはいつ自分の遺影を撮りますか? まとめ
昔の人には遺影用の写真を自分で用意するなんて考えられないことかもしれません。
ですが、現代では最期まで自分らしくありたいと考える人が増えています。自分の死をはっきり見つめることで、今をよりよく生きたていきたい。そんな思いが人々をカメラの前に立たせるのでしょう。
遺影があなたらしかったなら、残された家族たちもゆっくり悲しむことができるでしょう。
まだ元気だからと先延ばしにするのはやめて、まずは1枚撮ってみてください。今の自分がどんな顔をしているのか見てみましょう。