葬儀後に行うべき手続きで忘れがちな3つのこと

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葬儀後しばらくの間は、悲しみに暮れている状況にも関わらず、手続きに忙殺されることが多々あります。わたしもまた、家族の葬儀後に手続きや書類の提出に奔走する必要がありました。「自分は故人を偲ぶことができているのだろうか、罰当たりではないだろうか」と自問したこともありました。
しかしどんなに悲しいときでも誰かが手続きをする必要があります。忘れていて、後から気づいたときには遅かった! という手続きもあります。

今回は特に忘れやすい手続きについていくつかをご紹介いたします。

忘れやすい手続きその1 次の世帯主の届け出

大切な方が世帯主であった場合、世帯主と一緒に住んでいた人がいてなおかつ、世帯主になれる資格のある人が二人以上いる場合、この書類は提出する必要があります。
※世帯主となる条件を持つ人は、15歳以上の世帯員です。

以下、届け出が必要なケースと必要でないケースを書いていきます。

必要なケース
  • 「父、息子(30)、娘(18)」 → 世帯主であった父が亡くなった。
  • 「両親と息子(32)」 → 世帯主であった父が亡くなった。
不必要なケース
  • 「母、息子(22)、娘(13)」 → 世帯主であった母が亡くなった。
  • 「夫婦のみ」 → 世帯主であった夫が亡くなった。

手続き場所 : 市町村役場窓口。

手続きをする人 : 同一世帯人(代理人が提出可能)。

持参するもの : 住民異動届、各種保険証(世帯主変更のため)、運転免許証などの身分証明書、委任状(代理人のみ)、印鑑。

☆ 注意 ☆

法律によって14日以内の変更が義務付けられています。

もしも正当な理由がなく変更手続きができなかった場合、5万円以下の過料がかけられます。過料とは行政的なものによる罰金のことです。前科がつくわけではないですが、あまり長引かせ、無視し続けると刑事罰の可能性も見えてきてしまいます。

忘れやすい手続きその2 健康保険証を早めに返す

日本国内に住所がある人は年齢や国籍に関わらず、誰でも何らかの健康保険に加入していますよね。保険の加入者が亡くなると、保険証は翌日から無効になりますが、不正利用を防ぐために保険の運営者への返却が義務付けられているんです。

提出場所
国民健康保険及び後期高齢者医療保険は市町村役場窓口。健康保険は勤務先の会社、協会けんぽ、健康保険組合。

必要な書類
被保険者資格喪失届、世帯主の印鑑、身分証明書。

健康保険は故人の扶養に入っていた場合、その遺族も被保険者としての資格を失うので、亡くなった本人の保険証と合わせて扶養に入っている人全員の保険証も返却しなければなりません。扶養に入っていた人は、いずれかの健康保険に加入するか、新たに別の誰かの扶養に入る手続きが必要となります。

☆ 注意 ☆

国民健康保険類は14日以内、健康保険は5日以内の返却になります。

「故人の保険証を悪用されないようにするため」にこのような法があるのです。
返却については細かい規制はないようですが、故意に使用期限の切れた保険証を使用、他人の保険証での診察を行などしてしまうと詐欺罪に当たる処罰を受けることになります。

忘れやすい手続きその3 年金受給の停止

年金の受給者が亡くなったときは、これまで支給されていた年金の受給を停止する必要があります。この手続きのために「年金受給権者死亡届」を提出することになります。
通常は亡くなった方が受け取るはずであった年金の一部が支給されないままになっているので、未支給年金請求書も同時に提出してくださいね。

年金受給権者死亡届は、未支給年金請求書と同じ綴りになっていて、届け出方法も簡単です。合わせて速やかに提出しましょう。

☆ 注意 ☆

国民年金は14日以内、会社員の期間があり、もらっていた保険がある場合は10日以内の提出になります。

法的な理由としては、すでに亡くなった母親の年金を意図的に受け取り続けるといった犯罪防止のためです。
忘れることそのものへのデメリットはさほどなく、お返しいただくことになります、とだけ日本年金機構のホームページには書かれていますが、故意に受け取っていた場合は詐欺罪にあたり法的に処罰されてしまいます。

葬儀後に行うべき手続きで忘れがちな3つのこと まとめ

今回は葬儀後に忘れやすい手続きについて焦点を当てました。実際には遺産分与や法要の手続きなどまだまだ多くの手続きがあります。そのときになって慌てないよう、自分でできることを調査し、誰かに任せられることがあれば依頼するなど事前の準備をしっかり行うことをおすすめします。

ABOUTこの記事をかいた人

山本 幸恵

年齢:56歳
夫が他界し、一軒家で一人暮らしをしている。最近は時間を持て余し、以前から興味があった終活を始めることにした。その際に取得した情報を備忘録として記事に残しておいたことが記事作成のきっかけ。