数珠と一言で言っても色々な種類があります。材質も多岐にわたり値段にも幅があります。もちろんご仏事に詳しい方は、購入時に困ることはないかと思います。ですが仏事に詳しい方ばかりではありませんよね。
今回は「数珠が必要なのだけれども何を基準に買えばよいかわからない!」といった方に向けて情報をまとめてみました。
そもそも数珠は何のために身につけるの? ~数珠の功徳~
仏事に詳しくない方にとって数珠を身につけるのは、決まり事やマナーとして捉えていることも多いのではないでしょうか。ですが本来、数珠には「縁を結び付ける力」「煩悩を鎮める力」「真心に戻らせる力」「信仰の扉を開く力」「陰陽を調和する力」「自らを裁く力」「善に導く魔除けの力」をもたらす仏具としての役割があるのです。
特に縁を結び付ける力として、持っていることで生き別れてしまった縁の深い人と再び出会うことができたり、数珠を持つことで怒りにとらわれない、「ちょっと待った方がいい」と制御する力を得たり、持っているだけで「これは悪いことなのではないだろうか?」と、自分の心に問いかける力があるので、数珠には、いかに人の心を正しく導いてくれるかという功徳があるのです。
また、数珠と言えば仏教のものというイメージですが、他の宗教でも数珠と似たようなものがあります。キリスト教で言えば「ロザリオ」がそれにあたりますね。
数珠には大きく分けて本式数珠と略式数珠があります。
本式数珠と略式数珠の大きな違いは珠の数です。本式数珠は一般に108個の珠からなります。珠一つ一つが108の煩悩を司る仏様であり、人間の煩悩を数珠が引き受けてくれると言われています。玉の数を減らしたものが略式の数珠です。
数珠の素材と値段
数珠の素材は大きく分けて二種類あり、木材や木の実から作られたもの、宝石で作られたものがあります。
値段は略式と本式で変わりますが、比較的安価なものを探す場合は略式の数珠がおすすめです。略式は冠婚葬祭の際に宗派の違いがなく費用も比較的安価です。価格は3千円~3万円と幅が広いです。
素材は黒檀が材料の数珠を探すと良いでしょう。宝石類のものはどうしても高価になりますし、地域によっては派手な数珠が好まれないこともあります。
略式数珠の使用方法 ~お焼香の仕方~
数珠を用いる代表的な場面として、お焼香が挙げられます。このお焼香、各家の宗派によって方法が異なります。今回は略式の際の基本的な方法について説明します。
- 数珠は左手に持ち、正座をして軽く頭礼をします。
- 香盒と呼ばれるお香を入れる器の蓋を取ります。
- 焼香といって、香炉から中にある灰、つまりお香なのですが、これをつまみ香盒に入れていきます。※宗派によってつまむ数は1~3回あり、浄土真宗本願寺派では1つまみ、真宗大谷派では2つまみ、日蓮宗や真言宗では3つまみと違いがあります。しかし基本がそうというだけであって、参列者が多ければ1つまみにしておくなり僧侶からの指導があればその通りにするといった臨機応変さが重要になります。
- 香盒の中にあるお香を平らにします。人差し指から薬指の先の部分で平らにするとスマートです。
- 香盒の蓋をします。
- 合掌します。この際に左手にのみ数珠の輪をかける方法と両手に数珠の輪をかける方法がありますが、略式の場合はどちらでもかまいません。
焼香の礼儀作法は以上のようになります。故人の事を想い合掌を終えたら、次の人に譲りましょう。
数珠を購入する際に知っておきたいこと【入門編】 まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は比較的安価で幅広い対応が可能な略式数珠についてまとめました。本式数珠は宗派によって形態や作法が異なりますが、略式数珠ではそこまで気にする必要がありません。購入する際などには、今回の記事を参考にしてみてくださいね。