介護保険制度を利用する際にはいくつかの手続きが必要になります。また、利用にあたっては、複雑な決まりごとが多く、効果的な利用には仕組みの理解は欠かせません。
この記事では、介護保険を用いたサービスの利用方法や、利用する際に気を付けたいポイントを3つに絞りご紹介していきます。
サービスの利用方法
利用するための相談窓口
サービスを利用するにあたって、まずは市町村の役所や役場等で相談をすることをおすすめします。または、地域包括支援センターを利用するのも良いでしょう。
要介護認定の申請
サービスを受けるためには要介護認定の申請が必要です。申請を行う際、「基本チェックリスト」へ記入をします。これは利用者がどこまでのサービスを必要とするかをチェックするための質問票です。25項目の「はい」か「いいえ」で答えられる内容のものにチェックをしていきます。また、要介護認定の申請は家族や委託介護支援事業者などの方に代行してもらえます。
申請が受理されると市町村から連絡があり、本人や家族と相談のうえで認定調査(訪問調査)の日時、場所が決められます。本人への面接となりますので、現在の本人の居場所(自宅や入院先など)で行われます。申請の際には認定調査だけではなく、主治医の意見書が必要となります。
受理された後、2つの判定を経て、要支援1~2、要介護1~5、もしくは非該当に分類され、要支援、及び要介護に認定されて初めてサービスを受けることができます。
要支援1~2、要介護1~5に該当した方に対して「ケアプラン」を行います。
- 第一段階
要介護認定結果、利用者、家族の生活に対する意向、総合的な援助の方針を記載します。
- 第二段階
生活上の課題、それに対した長期目標とサービスの具体的内容、その担当者、頻度や利用期間が記されます。
- 第三段階
第二段階で明らかにしたサービスの利用、提供のスケージュールが提出されます。
利用者負担はどれくらい?
利用者が負担する料金は、サービス費用全体の1割、前年度の収入が一定数以上あると2割ないし3割となります。
サービスを受ける人の状況 | サービスの利用料を払う割合 |
---|---|
年金収入等 280万未満 | 1割 |
年金収入等 280万以上340万未満 | 2割 |
年金収入等 340万以上 | 3割 |
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サービスの使用上限
以下のような区分になっております。
区分 | 区分支給限度額(月額単位数) | 実際の上限額(月額円) |
---|---|---|
要支援1 | 5003 | 50,030~57,034 |
要支援2 | 10473 | 104,730~119,392 |
要介護1 | 16692 | 166,920~190,289 |
要介護2 | 19616 | 196,160~223,622 |
要介護3 | 26931 | 269,310~307,013 |
要介護4 | 30806 | 308,060~351,188 |
要介護5 | 36065 | 360,650~411,141 |
介護サービスの単価は基本1単位10円ですが、地域により10円~11.40円の誤差があります。また使用上限以内ですと併用も可能です。計画を立てる際の参考にしてみてください。
介護保険を利用する前に知っておきたい3つのポイント まとめ
介護保険を利用して受けられるサービスは数字でご覧になるとわかる通り、かなり手厚いものとなっております。
終活を考えている方が人生の終着点をデザインする際に、介護保険で受けられるサービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。そのための事前知識として本記事をお役立ていただければと思います。