不治の病だと思われていた認知症が、実は生活習慣病の一種であると言われていることをご存知ですか?
生活習慣病が深く関わる脳血管性認知症には、食事が大きな影響を与えます。アルツハイマー病は今まで食事は無関係だとされてきましたが、栄養が重要な役割を果たしていることがわかってきました。食事は脳に対しても、とても大切な役割を持っているのです。さらに、運動もアルツハイマー病に対して予防効果があるとわかってきました。
食生活や運動で認知症を予防し、進行を抑えましょう。
認知症の発症・進行は食事で決まる
認知症の発症には、長年のライフスタイルが関係していることが明らかになっています。
中でも食べてきたもの影響は大きく、特定の食品や栄養素、またバランスのとれた食事が認知症の予防に役立つことがわかっています。
アメリカでの調査によると、1週間に1回以上魚料理を食べる人は1回未満の人と比べて、認知機能の低下する速度が10~13%遅くなったそうです。ノルウェーでの調査でも同様に、魚をよく食べる人の方が認知機能の低下が少ないことがわかりました。
※魚には水銀が含まれています。大型魚であるマグロ、クジラなどには多く含まれているので、イワシ、サンマ、アジ、サケなど水銀の少ない小型魚を多く食べるようにしましょう。
2.野菜・果物
アメリカでの野菜と果物の摂取量と認知機能の低下速度調査の結果、野菜をあまり食べなかった人より食べた人の方が認知機能の低下速度が約40%も遅かったそうです。特に緑色野菜、次いで黄色野菜の作用が強かったということです。
アルツハイマー病の人が、魚を1日1回(約80g)、緑黄色野菜と果物を1日350g以上食べることを約30ヶ月続けた結果、食べない人との差は明らかなものになりました。
認知症を発症した後でも、食事の工夫でその進行を遅くすることはできるのです。
「認知症と食事」のことをもっと深く知りたい人はこちら↓の記事もチェック。
運動は脳に効く
運動も食事と同様に認知症の予防に効果があります。
例えば、中年期に週に2回以上運動をする人は、週2回未満しか運動をしない人に比べて、後年にアルツハイマー病を発症する確率が半分以下になるという研究結果があります。アルツハイマー病になってしまってからでも、運動をすれば認知機能を改善させることもできるようです。
では、どんな運動が効果的なのかというと、1日30分以上の「有酸素運動」が良いとされています。
※「有酸素運動」とは、体に負担をかけすぎず、呼吸しながら体中に酸素を行き渡らせる運動方法のことです。
- ウォーキング
- ジョギング
- サイクリング
- 水泳
- エアロビクス
- アクアビクス
etc.
最近では、趣味としてウォーキングやジョギングなどを楽しむ人も増えているようです。
また、頭と体、両方の運動が効果的だという研究報告も出てきています。1日30分のウォーキング+週に1回の知的活動(パソコンや創作料理など)を3年間続け、認知症で低下しがちな脳の機能を刺激し続けたところ、やった前と後とでは、記憶能力、集中力などの注意機能、言語機能が向上していました。
「認知症と運動」のことをもっと深く知りたい人はこちら↓の記事もチェック。
認知症の発症と進行を抑える2つの要素! まとめ
認知症は誰もがなりうる病気です。認知症になったら、もう諦めるしかない…。そういう思い込みは捨ててしまいしょう。
予防も大切ですが、本当に大切なのは認知症になってしまった後なのです。認知症になったことを受け入れ、そこからどうやって生活をしていくのか、それが大切なことです。
一番は楽をしないことです。あれもこれももういいやでは、いけません。
食事と運動のライフスタイルを見直すことで、急速に進んでいる認知症の増加にストップをかけられるとしたら?
わたしたちの未来はより明るいものになるでしょう。