海洋散骨のルールと選ばれる3つの理由

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近年、葬送の方法が多様化してきました。特に自然の中に散骨したり埋葬したりする方法がクローズアップされています。
今回は「海洋散骨」についてお話しし、なぜ選ばれているのかという理由をご紹介していきます。

海洋散骨は法的にOK?

過去には「遺骨を墓地以外に埋葬するのは法律に反するのではないか?」という懸念がありましたが、1991年10月に「葬送の自由をすすめる会」が海洋葬を行った際に、節度を持って行われる限り法的に禁じる規定はないという見解を当時の法務省と厚生省(現在では厚生労働省)が出したことにより、法的には問題ないという見解が得られ、一気に市民権を得ることとなりました。

しかし、節度を持ってとあるように、海であればどこに撒いてもいいのかといえば、そうではなく、海水浴場や漁場、マリーナ内や桟橋と桟橋の近くといった、普段の生活で人が関わる場所は避けなければなりません。

海洋散骨の種類

大きく分けて3種類あります。

  1. 自分たちで船の調達、出向、散骨、帰港までを行う方法。
  2. 他の遺族の方々と合同で船を借りて散骨する方法。
  3. 委託散骨という業者に全て任せる方法。

下の方ほど安く済み、合同であれば10万円前後、委託散骨であれば5万円前後でできるプランがあります。

海洋散骨が選ばれる3つの理由

その1 家族らしい葬送ができる

宗教や宗派に縛られることなく、家族らしい葬送が行えます。自然の中に還る葬送の中でも、特に海洋散骨は安らぎや解放感を感じる方法として人気です。故人が海好きだった場合に選ばれることが多い他、生前の苦しみから解放してあげたいという思いを実現する手段として海洋散骨が選ばれています。

その2 お金に関する悩みが少ない

お墓を購入する場合、ものによっては100万円以上かかりますが、海洋散骨の場合はお墓を用意する必要がありません。
※墓石、墓地の永代使用料を支払う必要もありません。

その3 お墓参りの必要がない

墓自体がないことにより、墓参りの必要がありません。
継承者がいない場合や、継承者がいたとしても家族に迷惑をかけたくないという人たちに多く選ばれています。

 

一方、お墓と比べるとデメリットもあります。

海洋散骨のデメリット
  • 遺骨が無いため、心の拠り所がイメージしづらい。
  • 家族(先祖)と一緒の墓に入れない。

海洋散骨のルール

いつ?

散骨する前に火葬を行うことになるのですが、火葬が終わってから残った遺骨をいつまでに納骨あるいは散骨するかといった期限に関しては法的に決められていません。
故にどのタイミングでも構わないのですが、縁起的なものを考えると心の整理がつくであろう四十九日あたりまでには検討しておきたいところです。
もし予約ができるなら先立たれた配偶者の遺骨と一緒に海へ散骨してもらう、というのもプランとしてはいいのではないでしょうか。お互いに死が二人を分かつまで愛し続けられたら、という前提ではありますがそれはそれでロマンチックな最期だと思います。

どこで?

海洋散骨は法的にOK? のところでお話ししましたが、日常生活で人が使う部分でない海洋地域であれば問題なく散骨できると思われます。
※業者に委託するのであれば専用の散骨地域を所持しています。

誰が?

基本的には遺族の方々に散骨してもらうことになるかと思われます。
しかし、現在ではおひとり様と呼ばれる方々も増えてきているため「死後事務委任契約」によって指定した人に散骨してもらうこともできます。
「死後事務委任契約」については誰と契約しても構わないのですが、弁護士、司法書士、行政書士と言った職業の方々に委任するのが最も適しているといえます。
※散骨関係に関する契約の値段は5万~10万円程度が適切です。

骨の部位は? 全部? 一部?

特に何も申し出がなければ全ての部位を受け取ることになります。
関東の方では全部を受け取らなければいけないことになっていますが、関西の方では一部だけ受け取るということも可能なようです。

参列者の服装は?

海洋散骨の場合は喪服ではなく平服という、いわゆる普段着で行うことをおすすめされています。
理由は海に散骨するという行為の関係上、船に乗る必要があるところにあります。船のデッキなどに立ち散骨することになるため、黒い革靴や喪服では服が塩水で濡れてたり着物を傷めたりしてしまいます。
また、船に乗る際に喪服の集団が船に乗り込んでいる様子を見るとそばで生活している漁師の方々などが不吉さを感じてしまうため、そのような意味でも喪服をおすすめできません。

お坊さんの手配は?

従来の葬式ではお坊さんの手配自体にお金がかかるという点、お坊さんとしては自分の寺の墓地に埋葬して欲しいという希望もあるため、仏教徒でも避ける人はいるかもしれません。比較的新しい形式の埋葬方法であるため、宗教に縛られることもないでしょう。
しかし、遺族に対して本気で寄り添いたいお坊さんもいらっしゃいます。

詳しくは以下のホームページを参照していただけると幸いです。

「お坊さんのための海洋散骨体験」乗船レポート

海洋散骨のルールと選ばれる3つの理由 まとめ

いかがでしたでしょうか。
海洋散骨について、ルールと選ばれる理由をご紹介しました。葬儀の方法が多様化している今、家族の希望に沿った方法を選ぶことができるようになりました。この記事を読んでいただき、参考にしていただければと思います。

ABOUTこの記事をかいた人

村山豊

年齢:57歳
結婚願望はなく独身。葬儀関係の仕事をしている。
最近流行りの終活についての情報を、ブログに載せると好評だったため、継続して記事を書くようになった。今後も自身の経験も踏まえて発信したいと思っている。