無縁墓にしないための「墓じまい・改葬」

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お墓を継ぐ人がいない、いたとしても放っておくとそのお墓は「無縁墓」となり、時には、撤去されてしまうこともあります。
管理料の支払いが滞らなければ、お墓参りをしなくても無縁墓にはなりませんが、せっかくならきちんとお墓参りができる環境にあるほうがいいですよね。

今回は、無縁墓にしないためにできることをまとめてみました。

お墓の後継者問題

お墓があるが故に、後継者問題が生じ、悩んでいる方も少なからずおられるのではないでしょうか。

本来、墓を継ぐということは、墓だけでなく家そのものを継ぐという意味です。
戦前は、家の財産を継ぐのは家長の立場になる長男のものでしたから、墓を継ぐのも当然長男でした。戦後には民法が改まり、お墓を含めた全ての財産は家長が継ぐのではなく、兄弟姉妹で継承の権利と義務を平等に負うことになりました。
※次男や嫁いで姓が変わった娘であってもお墓を継ぐことが可能。

☆ 注意 ☆

平等に分けると言っても、お墓は長男、位牌は次男という風に分けて継承することはできません。
先祖を祀るものは「祭祀財産」として一式とみなされるからです。

お墓を継ぐ

もしあなたがお墓を継ぐことになり、そのお墓がお寺にあったり、公営霊園だったりした場合は、お寺の住職や墓地の管理者に連絡をして、挨拶に行きましょう。
挨拶に行った際には、必要書類の提示があるので、それらを揃えて、継承の手続きをしましょう。

必要書類

霊園によって多少の違いはありますが、

  • 継承使用申請書
  • 実印と印鑑登録証
  • 戸籍謄本
  • 使用許可証
  • 誓約書

などが必要です。
※役所に届ける必要はないので、お寺でも公営霊園でもない場合は、書類の提出は必要ありません。

費用

お寺や民間霊園

5000~50000円

公営霊園

高くても3000円

※年間管理料は、3000~20000円程度必要。

☆ 注意 ☆

菩提寺で檀家になっている場合、お布施やお寺の集会への出席はしないよりはした方が良いでしょう。

墓じまい・改葬

継いだ墓が遠く離れた場所にある、子どもや孫の代になってお墓が維持できなくなった…。
お墓の維持は、大変なことも多いですよね。そんなときに、考えたいのが今のお墓を更地にして、移転させる「墓じまい・改葬」です。少々面倒な手続きが必要なのですが、家の近くにお墓を移転できれば、気軽にお墓参りができるので、無縁墓になる心配もなくなります。

4つのタイプ

墓じまい・改葬には、4つのタイプがあります。

  1. 墓石ごと全部引っ越す → 現在のお墓が入れるだけの広さがあるお墓を探さなければならないので費用がかかる。
  2. 骨壺だけを全部引っ越す → 骨壺だけなので、費用を大幅に減額できる。
  3. 一部の骨壺だけを引っ越す → 自分の両親の骨壺だけを移すことになる。
  4. 遺骨の一部だけを引っ越す → 分骨することになるので「分骨証明書」が必要。
※新しいお墓を造らない「墓じまい・改葬」をすることも可能です。

流れ

手続きの仕方は、自治体や地域によって違うこともありますが、おおむね以下のような流れになります。

その1 改葬先を決める

どこへ移転させるのかを決めて「受け入れ証明書」の発行を受けます。

その2 今お墓がある市区町村役場で「改葬許可申請書」をもらう

必要事項を記入し、提出、受理されれば「改葬許可証」が発行されます。
※申請書と許可証は、遺骨1体ごとに1枚です。

その3 遺骨を取り出す

お墓の管理者に改葬許可証を見せて、「抜魂供養」などの供養を行います。

その4 遺骨を埋葬する

改葬先の墓地管理者に改葬許可証を提出し、埋葬。「納骨法要」、「開眼供養」などの法要を行います。

無縁墓にしないための「墓じまい・改葬」 まとめ

散骨や手元供養なども実は改葬の一種です。
お墓参りがままならなくなったら、「墓じまい・改葬」をするのも継承者の責任となるので、自分のライフプランに合わせた供養というものが大切になってきます。

ABOUTこの記事をかいた人

村山豊

年齢:57歳
結婚願望はなく独身。葬儀関係の仕事をしている。
最近流行りの終活についての情報を、ブログに載せると好評だったため、継続して記事を書くようになった。今後も自身の経験も踏まえて発信したいと思っている。