従来のイメージとは違う、現代の「納骨堂」へ

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「納骨堂」というと、従来はお墓を建てるまでの間の遺骨の一時預かり所といったイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。しかし、最近では永代に渡って遺骨を収蔵してくれる納骨堂もあり、お墓の一形態として、主に都市部での需要が増えてきているんです。
この記事では、時代とともに変化した現代の納骨堂がどんなものなのかをまとめてみました。

納骨堂の特徴

納骨堂は、お墓のように土中に埋葬する形式ではなく、屋内の収蔵庫に遺骨を骨壺のまま安置します。
※法律的にはお墓と同じ扱いなので、開設には都道府県知事の認可が必要です。
経営主体は、一般のお墓と同様、公営、民営、寺院の3種類ですが、寺院による経営が多いようです。

納骨堂で最も多いのは期間が限定されているものですが、最近は収蔵期間を限定しない納骨堂も増えてきています。

1.期間限定で更新性

  • 収蔵期間を1年、5年、10年という風に限定されている。

※期間が限定されていても、期間満了時に契約を更新すれば、引き続き使用することができる。

2.永代収蔵

  • 遺骨を永代に渡り収蔵する。
  • 遺骨をそのままずっと個別に収蔵しておくケースと、永代供養墓のように、一定の期間を過ぎると他の遺骨と合祀して埋葬するケースがある。

※それぞれの施設によって、遺骨の収蔵期間や遺骨の最終的な収蔵場所は様々なので、契約の際には注意が必要です。

使用料は、1年ごとに支払うところや、三十三回忌までの使用料を一括して支払うところなど様々ですが、永代供養の場合は一括または分割支払いが多いです。管理料が必要な場合もあるので、あらかじめ確認しておきましょう。

納骨堂への納骨も、お墓に納骨するときと同じように、火葬後に交付される埋葬許可証を管理事務所に提出する必要があります。また、改葬の場合にも届け出が必要です。

納骨堂のメリット・デメリット

メリット
  • 墓地の取得や墓石などが不要なので、一般のお墓よりも割安。

※仏壇式の納骨堂は、一般のお墓と同程度の費用がかかる。

  • 墓石がなかったり、永代契約ではなかったりなどの理由から改葬が比較的簡単。
  • 屋内施設なので風雨にさらされず、手入れや管理が容易。
  • 交通の便が良い場合が多く、お参りに便利。
  • 寺院経営の場合でも、宗派不問のところが多い。
デメリット
  • 収蔵期間が限定されている場合は契約更新が必要。
  • 花や線香を供えられないなど、お参りの仕方が制限されている場合がある。
  • 年月を経て、納骨堂施設が老朽化したり、破損したりした場合、修理費用がかかることがある。

※修理費用が使用料に含まれた契約になっているか確認が必要。

4タイプの収蔵形態

遺骨を一時期だけ預けておく施設という意味合いが強かった従来の納骨堂では、簡易な「棚式」や「ロッカー式」のものが主流でした。最近では、お墓のひとつの形として使用する人が増えており、「仏壇式」や「お墓式」といった新しいスタイルのものも普及しています。

棚式

棚に骨壺を並べて収蔵するタイプ。
価格は、30~80万円。

ロッカー式

ロッカーのように、個別の収蔵庫が縦横に並んだタイプ。上段、下段で料金が違うこともある。
価格は、50~100万円。

仏壇式

上段が位牌を安置できる仏壇で、下段に遺骨を納めるタイプ。個人の写真や思い出の品などが収納できる場合もある。
価格は、150~400万円とほかのタイプに比べて高め。

お墓式

墓石を屋内に建てるタイプで、屋内墓地とも呼ばれる。一般の墓地と同じようにお参りできるところもある。
価格は、合祀だと15~30万円。合葬だと30~80万円。

※骨壺を1部のみ収蔵できる施設から、複数の遺骨収蔵が可能な施設まで様々なので、納骨堂に納められる遺骨の数はあらかじめ確認しておきましょう。

新しいシステム

コンピュータでシステム管理をする現代ならではの納骨堂も登場しています。これは、参拝者が祭壇で登録カードを通すと、コンピュータが自動的に遺骨を祭壇に運んできてくれるというものです。参拝者は直接個々の遺骨にお参りができます。
また、なかなかお参りに行けない人のために、インターネット上で納骨堂にお参りできる「インターネット参拝」というシステムを取り入れているところもあります。インターネットで納骨堂にアクセスし、安置された個人の骨壺を自宅のパソコンで見ながら参拝できます。

従来のイメージとは違う、現代の「納骨堂」へ まとめ

従来の一時預かり所のイメージから永代に渡っての供養も可能になった納骨堂ですが、インターネットなどを活用した新しいシステムには賛否両論があるようです。それでも、お墓参りに関しても利便性を望む現代のニーズがあることも確かです。
今まで自分の足でお参りに行っていた人たちにとってはなかなか受け入れがたいことかもしれませんが、どんな形であれ、故人を想う気持ちは皆同じではないでしょうか。
新しいお墓と従来のお墓、自分に合っているのはどっちなのか、自分だけでなく、家族や親族などとも話し合い、最適なものを見つけましょう。

ABOUTこの記事をかいた人

村山豊

年齢:57歳
結婚願望はなく独身。葬儀関係の仕事をしている。
最近流行りの終活についての情報を、ブログに載せると好評だったため、継続して記事を書くようになった。今後も自身の経験も踏まえて発信したいと思っている。